酸化チタンとは
酸化チタン(TiO₂)は、地球上に広く分布する酸化鉱物の一種である「チタン鉱石」から生産される無機化合物です。優れた白色度を持ち、素地を覆い隠す力(隠ぺい力)や均一に分散する性質などを併せ持つことから、自動車、住宅塗料、食品パッケージなど様々な用途に使用されています。
酸化チタンの製造方法には、下記の二つがあります。
「硫酸法」
硫酸法は、まず原料(イルメナイト鉱石 )を濃硫酸に溶解させ、不純物である鉄分を硫酸鉄として分離します。この時にチタン分として得られた硫酸チタニルを加水分解することで、白色の含水酸化チタンを得ます。その後、焼成工程を経ることで、酸化チタンが生成されます。
「塩素法」
塩素法は、まず硫酸法より品位の高い鉱石(天然ルチルなど)をコークス・塩素と反応させ、精製して四塩化チタンを得ます。次に、四塩化チタンを加熱して気体にし、高温で酸素と反応させ、塩素を酸素に置き換えることにより、酸化チタンが生成されます。